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2014年2月13日木曜日

石原千秋先生と論理エンジン


「秘伝 中学入試国語読解法」など多数の著作を出されている石原千秋先生などを引き合いにして、出口先生との違いを書いている記事などを見かけます。ネット上のことですので、情報の判断は慎重に行う必要がありますし、こうした議論は誰が優れているかというよりは、誰が自分の合っているのか、それはなぜなのかを知ることの方が大事だと思います。

石原先生の指導法の特徴の一つに、出題背景に迫る点が挙げられます。
国語とは道徳教育であり、中学入試にはその学校がどのような生徒に来てほしいかという哲学が現れるし、そのメッセージが読み取れるような作問をすべきだと言います。

そのうえで、ロラン・バルトが物語の構造を分析したように、中学入試で出題される小説は
「~が~になる」という型をもっており、そのテーマは友情や恋愛、親子関係など様々であるが、
基本として少年や少女が成長する過程を描いたものであるので、物語の要旨を一文で説明する練習をしておくことが重要だと言います。

石原先生も明言しているように、石原先生の指導方法は「学校文化に適応している子ども」「学校文化に適応していない子ども」のどちらであっても、基本的にある程度文章が読め、かつ潜在的に書ける能力を持っている子どもが、出題者の意図や国語のテストを解く上でのコツを知ることで、安定して得点する上で優れた指導法だといえます。

一方、論理エンジンは、石原先生が対象外とした、基本的な文章の読み方が身に付いていない生徒にとって、指導しやすいプログラムであるといえます。ただし、指導力のある先生が使用することで、高い学力を持つ生徒の力を伸ばすこともできるプログラムであることは、このブログで紹介したいくつかの事例が物語っています。

優れた先生は、生徒の特性を見極め、様々な指導方法を柔軟に使える先生なのだと思います。

http://www.amazon.co.jp/%E7%A7%98%E4%BC%9D-%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E5%85%A5%E8%A9%A6%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E8%AA%AD%E8%A7%A3%E6%B3%95-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E9%81%B8%E6%9B%B8-%E7%9F%B3%E5%8E%9F-%E5%8D%83%E7%A7%8B/dp/4106005603

2014年2月5日水曜日

この時期にどのような授業をするか

2月に入り、入試業務も大詰め。年末の冬期講習、センター試験と続き、本当に忙しい時期です。
さらに、次年度のことも考えないといけない。
しかし、生徒にとってはいつもと変わらず、大事な一時間一時間の授業です。
この時期にどういった授業をすればよいか。

今回も、やはり匠から教えられました。
この時期は、先に進まずにOS2の総復習問題を使って振り返りを行う。

しかし、ただ振り返りを行うのでなく、
生徒が先生役となり、「小学6年生に教えるように」解く手順を発表する、という授業です。

先生は、教育実習生に教えるように授業の仕方を教えるそうです。
これは、結構プレッシャーですよね。
その視点でこれから授業を見られるわけですから。
しかし、実際に授業をしてみることで、簡単そうに見えた授業中の様々な先生の「わざ」のすごさにも気づき、より授業に身が入る効果もありそうです。

それだけでなく、先生自身も、生徒の授業から学ぶことがあるといいます。
先生が学ぶ姿勢を持ち続けている限り、授業はより高みを目指すことができる。
忙しい時期ですが、大事なことに気づかせてくれる記事でした。

http://www.kato-katsumi.net/archives/68081394.html